Kitkat for Ramadan
ラマダンの時期限定のキットカット

どうも。ふぁてぃまです。前回第3夜のブログを書いてから、早いものであっという間に半年近くが経ってしまいました。北半球の日本とは季節が逆になる南半球のメルボルンは、秋に向かってまっしぐら、という季節になりました。そして、今年もいよいよラマダンが始まりました。

ラマダンにはナツメヤシがつきもの

メルボルンのスーパーでもラマダン開始の2週間ほど前から、果物のコーナーに大きな箱に入った5kgのナツメヤシが60ドル(約5200円)で売られています。中東の市場やスーパーなどで売られているナツメヤシは乾燥していて外側の皮が固くなっているものもありますが、メルボルンで売られているナツメヤシはしっとりとしていて、甘すぎず、なかなかの美味でした。箱にはMedjool Dates(メドジュール デイツ)と書かれており、調べてみるとこの品種はモロッコが発祥のナツメヤシのようですが、最近ではアメリカなどでもよく作られているそうで、このメルボルンのメドジュールナツメヤシも、アメリカからの輸入品でした。

Dates
ラマダンの時期にはこのナツメヤシが欠かせない

余談ですが、日本ではナツメヤシを食べる習慣などはあまりないと思いますが、実は、おたふくさんのお好み焼きソースにはこのナツメヤシが入っているんですよねー。今度お好み焼きパーティーをするときは、ソースのパッケージに注目をして見てください。

スーパーを見れば宗教ごとのお祭りが分かる

いろいろな宗教の人が暮らすオーストラリアですから、このようにラマダンだといえばナツメヤシが、中秋の名月だといえば月餅が、ユダヤ教の過越祭だといえばマツァー(イーストの入っていないぺったんこなパン)が、スーパーには並びます。そして現在はイースターが近いですから、ウサギや卵の形のイースターチョコレートや、十字の模様の入ったホットクロスバンズというパンが店内にはたくさん並んでいます。

Easter Rabbits
ウサギの形のイースターチョコレート
Moon Cake
中秋の名月の時期には様々な月餅も
Hot Cross Buns
イースターには欠かせないホットクロス・バンズ
Matzos
過越祭用のマツァー

日本でも最近はいろいろなイベントをお祝いする傾向にあります。ハロウィンが一般に認知されるようになり、この頃はセントパトリックデーやイースターなどもイベントとして取り上げられるようになってきました。しかしこれらはどちらかというと、何か楽しいことをしたい、という気持ちや、商業目的でイベントを利用している感が否めず、実際のイベントの意味や歴史などをきちんと理解しているかと言えば、そんなことはないように思います。

ダイバーシティー、インクルージョンとは?

最近は「ダイバーシティー」や「インクルージョン」という言葉をよく耳にするようになったかと思います。いろいろな人種、性別、年齢、宗教などを持つ人たちがコミュニティの中にはおり、そのいろいろな人たちの存在をそれぞれ尊重し、受け入れていこう、ということですが、オーストラリアではこの「ダイバーシティ&インクルージョン」は常識というか、もはや無視できない概念となっています。

日本では「ダイバーシティ」というと、なんとなくLGBTQIA+に対しての意味合いが強いような気もしますが、オーストラリアでは、人種や年齢や性別、趣味や嗜好などにいたるまでこの考え方は多岐に渡ります。そして企業などはこの多様性を人材活用とあわせてうまく取り入れ、いろいろなスタッフを内包することで違ったアイディアを生み出し、また社会的にもダイバーシティを取り入れている企業として企業イメージの向上にもつなげています。

ダイバーシティー、インクルージョンへのオーストラリアの取り組み

よく言われるのは、オーストラリアの就職活動の際、履歴書には生年月日は記入しません。年齢による差別をなくすためです。もし面接官が応募者の年齢などを聞くようなことがあれば、法的にペナルティが課せられます。また既婚か未婚かの確認や出産の予定の有無、子供が欲しいか否か、といった質問もしかりです。働き方にしても、子育てをしているスタッフが他のスタッフと同じ条件で働けるよう、勤務時間をフレキシブルにする、在宅勤務を認めるなど、これらもまたダイバーシティ&インクルージョンの一つの企業の取り組みです。

また毎年3月21日はハーモニーデーという日となります。その日やその週は、いろいろなバックグラウンドの人たちの宗教や国の文化を理解しようと、学校や職場では、例えばある特定の国や地域について学ぶ日を設け、それが日本デーなのであれば、日本についてを勉強したり、各々が自分の国や文化のお菓子を持ち寄ってアフタヌーンティをしたり、例えば自分のバックグラウンドやアイデンティティを示す何かを1つ身につけて学校に行こうなどの取り組みが行われ、これらハーモニーデーや、様々なバックグラウンドを学ぶ機会を設けない学校には行政などから指導が入ります。職場でも常に異文化理解のトレーニングや、ダイバーシティのトレーニングが定期的に行われます。

日本ではまだまだ動き始めたばかりの概念かもしれませんが、これからいろいろな人たちがそれぞれの立場で活躍できる社会になるように願わずにはいられません。

では、次回以降のブログをお楽しみに。アッサラームアレイクム。みなさまの上に平安がありますように。

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