Melbourne main station
       喪に服して紫色にライトアップされる、メルボルン・フリンダースストリート駅

どうも。ふぁてぃまです。
春の日差しに包まれた穏やかな朝です。そう南半球は9月から春が始まったんです。

突然訪れた、貴重な4連休

そして今日、メルボルンのあるビクトリア州は、4連休の初日。
祝日の少ないオーストラリアでは、連休になることも少ないので、みんな昨日の夜からルンルンしていました。

で、今日が何の日かって?
今日2022年9月22日はNational Day of Mourning for Australia、つまりオーストラリア全土でエリザベス2世を追悼し、喪に服す日にとなりました。でも、今年だけの1回限りの祝日。先週、急に決定されたもので、我々庶民はただただ休みが増えるということだけで喜び、オフィスの同僚はこの祝日を知った瞬間「Thank you Queen !!」と叫んでいました。

でも、すでに女王の葬儀は3日前に執り行われた後。なんで9月22日なの?と思いますよね。これは葬儀に列席したオーストラリアの首相がイギリスから帰国をするのが9月21日だったため、首相の帰りを待って翌22日になった、という大人の事情です。
そしてここ、ビクトリア州は州独自の祝日が明日もあるため、土日とつながって4連休になりました。

君主制を巡る、オーストラリアの対応は?

ただ、この祝日に対しては、もちろんいろいろな意見がありまして。オーストラリアって共和制の国ですが、厳密にいうとまだ英国王/王女を国家元首におく君主国なんです。なので現在、国の一番のトップはイギリス国王のチャールズ3世ということになります。

1999年にオーストラリアではこの君主を続けるのか、もう止めるのか?を問うた国民投票が行われたんです。結果、55パーセントの人たちが「君主制続けましょうよ」と言い今に至るのですが、今年の選挙で9年ぶりに政権を奪還した労働党のアルバニージー首相は、「もうさ、共和制にしていんじゃね?」という共和制移行を支持する人。
それでも君主制の国の首相ということで今日という日を祝日にし、「オーストラリア人はエリザベス2世の70年の功績を称え感謝をし、黙とうしましょう」とエリザベス2世への敬意を表明しつつ、一方で「でもこの祝日は1回限りよん。来年はないからね!」と自分のスタンスも表明したのでした。

私の周りの人々の正直な思い

われわれ一般人たちの話に戻りますが、私の周りのオーストラリア人たちが女王の死を悼み、追悼のセレモニーに行くとか、SNSに追悼メッセージを投稿するとか、涙を浮かべて功績を語る、という場面には、私一個人としてはまだ出会っていません。もちろんこれはたまたま私の周りがそういう人たちだっただけですけど。

前述の通り祝日を喜び「Thank you Queen!!」と叫んだオフィスの同僚は、「我が家は典型的なカトリックのオーストラリア人の家庭で、1970年代、まだ子供の頃、家の中のすべての部屋にイエスキリストの絵と、その隣にエリザベス2世の写真が飾られていた」とも言っていました。

いろんなオーストラリア人がいるんです。「女王の崩御についてどう思う?」とオーストラリア人のパートナーにも聞いてみたところ、数秒の沈黙の後「…うん、かっ、悲しいよね」と。そしてテレビで女王の棺が乗せられたガラス張りの霊柩車がエジンバラまで6時間かけてドライブをしているライブ中継を見ながら、私はオーストラリア人ではないため女王に対しては大きな思い入れもなく、不謹慎ながら「6時間のドライブは長い道のりだけど、まさかドライバーさんはラジオとかかけたりできないよね?」などと思っていたら、パートナーがボソッと「ドライバーはさ、6時間も無音でドライブとか苦痛でしょう。絶対眠くなるよね、こんな自然豊かな1本道をさ、ただただ走るなんて。ポッドキャストとか音楽とか聞いてんのかなぁ?だとしたら何聞いてんだろ?」と。あ、不謹慎な国民がここにもいた。

女王崩御後の街の様子は?

市内の本屋さんに行ってみたのですが、特に女王に関する本がたくさん売られている、ということもなく。日本だと一晩のうちに女王に関する書籍が平積みされ、特別に女王のコーナーが設けられそうな感じですが。

Federation Square
首都キャンベラでは特別ミサが行われました。

とまぁ、日本の家族や友達からもオーストラリアはさぞかし悲しいムードなんでしょ、と言われるのですが、、、、えっと、実はそうでもない、というのが体感です。

今後、チャールズ3世が王となり、オーストラリアはこのまま君主制でいくのか、それとも共和制に向かっていくのか。。。注目をしていきたいところです。

では、次回以降のブログをお楽しみに。
アッサラームアレイクム。みなさまの上に平安がありますように。